相続を仕事にするには、どんな資格が必要なのか?そもそも相続って仕事になるのか?儲かるのか?
相続の事例を含めて、整理してみます。
相続に関わる国家資格・民間資格※
※ここでいう民間資格とは、一般に国家資格と異なり、一定のことを行うために必要とされる条件や能力のことではありません。
国家資格
相続に関係する国家資格には、弁護士・司法書士・行政書士・税理士・宅地建物取引士・不動産鑑定士・測量士があります。
国家資格とは特定した業務(税務申告・登記手続・裁判手続・等々)を行うための資格です。国が一定の要件を満たした人に限定してその資格を与えます。(それぞれの資格の法律に出来事が定められている)
各国家資格者の業務内容
弁護士:
遺産相続や遺産分割などについて法的な助言ができる資格。相続紛争や遺産分割問題に関する交渉、調停、裁判は弁護士資格がないと取り扱えません(弁護士方72条)。
遺産相続でトラブルになってしまい、法的に解決する必要がある場合は弁護士に相談することになります。
司法書士:
相続登記ができる資格。相続登記とは、相続した土地や建物など不動産の名義を変更することで、法務局で申請と手続きを行います。
行政書士:
権利義務に関する書類作成ができる資格。遺産分割協議書の作成を行えます。遺産分割協議書を作成するための相続人調査や相続財産調査など、相続手続きのサポートが可能です。
税理士:
相続の生前対策や相続税の申告手続きができる資格。贈与税の算出や贈与のアドバイスから申告まで可能です。
ただし、いずれの資格者も得意とする専門分野があり、必ずしも相続が専門であるとは限りません。相続業務を行うには、相続全体の知識と経験とネットワークが必要です。
民間資格
民間資格には、相続士、相続診断士、相続鑑定士、遺言執行士、相続カウンセラー、相続アドバイザーなど、多数の資格があり、団体ごとその資格を付与しています。
民間資格は、国家資格と異なり国が認めたものではありません。従って、特定の資格を持たないと出来ない業務(税務申告・登記業務・裁判手続・弁護士法に抵触する行為等々)を行うことは出来ません。
他方で、国家資格は、前述のとおり、すべての資格者が相続に詳しいとは限りません。また、相続の事情は千差万別で、手続きが煩雑になるケースはままあります。
信頼できる国家資格者とチームを組んで、相続を円滑に円満に行えるかどうかが、民間資格のポイントになるでしょう。
当事者の立場になって考えれば、相続に詳しい国家資格者のチームがワンストップで手続き完了まで相談にのることが求められます。
民間資格詳細については各団体にお問合せください。
相続アドバイザー協議会認定会員
相続アドバイザー協議会では、一定の講座を受講し、協議会の理念に賛同され会員になって頂いた方を相続アドバイザー協議会認定会員としてお迎えしております。
晴れて認定会員になった方は、名刺に記載することができます。(国家資格ではありません)
相続アドバイザー2級・3級との違い
相続アドバイザー2級・3級の資格は銀行業務検定の一つです。銀行員が必要とする相続知識を学ぶものです。
これとは別に、国家資格者が必要に応じてチームを組み、相続コーディネイトと実務を行う相続アドバイザー(相続アドバイザー協議会発行)があります。
相続アドバイザー2級・3級と相続アドバイザー養成講座は名前が似ていますが、別の組織が運営しているまったく別の資格です。
相続の現実(事例)
多数の専門家が必要となるケース
相続にあたり、自宅(被相続人の持ち家)を売却することにした場合です。
不動産業者・不動産鑑定士が不動産の価値を算定。売買は不動産業者が仲介し、司法書士が不動産登記を行います。
遺産分割が必要な場合には、行政書士が相続人調査や相続財産調査を担当。相続登記は司法書士が担当し、相続税は税理士が担当します。
相続全体をコーディネイトする人と各国家資格者の連携が重要です。
NG例
相続当事者が個別に専門家に当たらなければならないとしたら、大変な手間です。
例えば、税理士から「すべての手続きが完了したら改めて来てください、相続税の手続きをしますので」と突き放されたら、相続当事者は途方にくれるのではないでしょうか。そもそも不動産の売却以外に方法がないかが問題になるケースもあるでしょう。
相続当事者に喜ばれる選択肢の提示をするためにも、相続コーディネイトが重要になります。
相続実務における国家資格者との関係
不動産関連業務に係る国家資格者と相続
相続にあたって土地や建物の売買が必要になるケースでは、不動産業者(宅地建物取引士)が売買や不動産活用に関するアドバイス、売買手続きを行えます。また、必要に応じて不動産鑑定士や測量士が加わります。
不動産業者の中にも、相続問題や遺産分割について詳しい人と、そうではない人がいます。
相続アドバイザー協議会認定会員や民間資格者の役割・重要性
前述のとおり、すべての資格者が相続に詳しいとは限りません。また、相続の事情は千差万別で、手続きが煩雑になるケースがあり各国家資格者の連携が重要になるケースが多くあります。
そんな時、その相続案件に相応しい信頼できる国家資格者を選別しチームを組み、相続を円滑に円満に行うことを可能にする、コーディネート力を持つ相続アドバイザー協議会認定会員や民間資格者が重要な役割を担います。
当事者の立場になって考えれば、相続に詳しい国家資格者のチームをワンストップで手続き完了まで相談にのることが出来る存在が求められます。
相続で学んだ知識を仕事に活かすには
せっかく相続の資格を取得したのに、肝心の仕事に活かせなければ意味がありません。
相続アドバイザー会員の多くは、ご自身の資格・専門分野に、相続アドバイザー協議会で得た知識や心構え・ネットワークを活かして、さまざまな相続の仕事に取り組んでいます。
ここでは、相続をライフワークとしている相続アドバイザー会員の方々をご紹介します。
ライフワークになる相続アドバイザー
最後に、相続アドバイザーを育成している相続アドバイザー協議会の考え方を紹介します。
相続アドバイザー協議会では「相続は家族の問題」と捉えています。
家族の問題である以上、相続をどう扱うかの選択肢は無数にあります。
選びたい、すすめたいのは、当事者家族が笑顔になる選択肢です。
いくつもの選択肢の中から、当事者家族にとって最適の選択が行えるよう優れた水先案内人になることが大切だと考えています。
信頼される相続の水先案内人であり、国家資格者と連携できる人材を育成することが相続アドバイザー協議会の目的です。