ファイナンシャルプランナーとして、また終活の専門家として情報提供や相談業務に携わり、後見人としても活躍されている倉並 珠貴さん。2021年からは地域のおひとりさまのサポートのために一般社団法人も立ち上げました。そんな倉並さんは相続アドバイザー養成講座の第6期生。受講の経験がどのように仕事に活かされているかをお伺いしました。

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どんな人も亡くなれば相続は必ず発生します。ていねいにしっかり解決するには幅広い知識と相談できる人脈が大切で、それらを養成講座で築けたことは貴重な経験でした。

一般社団法人 かわぐち倶楽部 理事
倉並 珠貴さん
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現代の終末期の問題解決には相続の知識は必須

CFP®取得から20年以上経つという、倉並さんは、ファイナンシャルプランナーの資格者たちでNPO法人を設立し、エンディングノートの作り方について研究を深め、終活アドバイザー協会の立ち上げにも携わってきました。シニア世代や終末期の様々な問題に取り組む中で、「今のこれらの問題を解決していくには、相続について知っておかないと正しいアドバイスはできない」と考え、相続アドバイザー養成講座の受講を決めたそうです。

「養成講座を受けたことのある知人に講座のプログラムを見せてもらった時、相続に関して知りたい、学びたいと思っていたことがほぼ網羅されていて、非常に中身が濃いという印象を受けました」と倉並さん。

実際に講座を受けてみると想像通りの素晴らしい内容だったと当時の記憶を巡らせます。
「講師陣がとても充実していました。受講している皆さんもご自身のお仕事の後に参加されているのにも関わらず、真剣に勉強されている姿を目の当たりにして、自分もきちんとしなくてはと思いながら通っていました」。

特に印象に残っているのは、野口賢次先生の「クライアントが一番幸せであること」という考え方。野口塾にも参加をしている倉並さんは、そこで基本コンセプトである「ゆずる心と感謝の気持ち」を皆で同じ思いを抱きながら取り組む姿勢に感銘を受けたそうです。

「今の仕事でも相談者が一番幸せになることを私たちは見つけ出しています。ここで学べたことは本当に役に立ちましたし、とても誇りに思っています。そして何よりも素晴らしい方たちとお知り合いになれたこと、これが一番の宝でありがたかったことですね。」と語ってくれました。

相続に携わるなら、亡くなる前にしておくべきことが多々ある

ファイナンシャルプランナーは、お金に関することを広く浅く網羅する勉強ですが、その中で倉並さんが取り組むのは終末期のアドバイス。相続を正確に理解することは、正しい判断に繋げるために役立っているそうです。

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特に後見の仕事では、相続を理解せずにその仕事に関わることは何の意味もなさないのではないかと倉並さんはいいます。

「例えば、高齢だったお母様の相続といった場合、まずはお母様の戸籍を調べるところから始めるのですが、何十年も昔に結婚をされて、お子さんが生まれるなど、いろいろある中で私たちはその様々な経緯から意識して後見に入るので、完璧なアドバイスをすることができるのです。そこを知らずに現状を見ているだけでは完璧な解決は難しいと思うのです」。

相続の場では、本人も周りの人も知らないことが埋もれていることも多く、「後見人の段階」、さらには「後見に入る前の段階」で色々なことを知り、解決していくことが重要だと語ります。

倉並さんはその強い想いから、2021年に地域のおひとりさまをサポートする社団法人を立ち上げ、活動を開始しました。「相続税をどうするか、大きな相続をどのように運用するかということではなく、相続はどんな人にも起こること。私はそんなみんなに起こり得るような相続のお手伝いをしています。私は最後にこの仕事に行き着いたことに本当に感謝しています」という倉並さんの言葉が印象的でした。

素晴らしい講師陣との出会いとお金で買えない人脈

最後に、受講を迷っている方へのメッセージを伺うと、「これだけの講師陣が揃っていて、皆さん実務経験のものすごい方ばかりです。これだけのネットワークや人脈を作ろうといっても、いくらお金があっても簡単なことではないですから。迷っていては何も始まらないので、まずは1歩踏み出すことが大事ではないでしょうか。」と語ってくれました。

対応事例1: 誰にでも起こりうる相続をサポート

倉並さんが理事を務める一般社団法人かわぐち倶楽部では、地域包括支援センターやケアマネジャーからの紹介などで、近年増えている地域のおひとりさまの方の相談を受ける業務に携わっています。
高齢化で80代の方が亡くなると、相続人の妻も80代ということもよくあり、複数の銀行の口座を解約するなど、全ての死後事務を行うことも大変になってくる事例、また戸籍を取ってみると問題を抱えていることが分かった方など、様々なケースがあるのだそう。このような、「誰にでも起こりうる相続」を一人ひとりていねいにサポートしています。

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対応事例:2 相続には情報のアンテナを常に張っておくことが大切

単純な相続であっても、相続人がいなかったり、被相続人に該当する方が認知症になってしまったりという事例は数多くあります。また、親族の方がいたとしても相続に関わることが困難な場合もあります。近年ではそのようなケースはとても増えています。人が亡くなれば相続は発生します。事前にその方の状況を知っていることは相続の解決において非常に大切なことだといえます。倉並さんはご本人や周囲の方の情報などをいち早くキャッチして解決することを心掛けているそうです。

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倉並 珠貴さん

株式会社プラスホーム 代表取締役
https://kawaguchiclub333.com/

2003年よりNPO法人ら・し・さの理事を務め、終活アドバイザー協会の立ち上げのほか、金融広報アドバイザーとしても活躍。後に市民後見かわぐちに所属し、2021年には一般社団法人かわぐち倶楽部を設立。地域のおひとりさまのコンサルティングや終活についての情報提供や相談業務に携わる。主な資格はCFP®、宅地建物取引士など。