銀行員から司法書士の道を歩み、現在第一線で活躍されている池田 直子さん。日々、お客様の目線に寄り添うことを大切に司法書士として、また後見人などの相続に関する様々な仕事に携わっています。相続アドバイザー協議会の養成講座13期としての経験がどのように仕事に活かされているかについてお話を伺いました。

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講座で学んだ知識と人脈、そして野口先生から受け継いだ相続人ファーストの精神は「配慮の行き届くノウハウ」として蓄えられて仕事に活かされています。

司法書士池田事務所 代表
池田 直子さん
プロフィール »

司法書士の仕事で相続の深い知識が必要だと実感

2008年にご自身の司法書士事務所を設立して以来、精力的に日々の仕事をこなす池田 直子さん。司法書士になる前は、新卒で都市銀行に勤務、支店での窓口業務や総務関連の後に、本部で住宅ローン関係の業務に携わってきました。
その後、司法書士を目指すことになったのは、大学は法学部の出身で法律に興味があったことと、仕事の幅を広げて今後は自分で仕事をしたいという考えから。
一発奮起して司法書士を目指し、2002年に司法書士試験に合格。司法書士事務所に6年ほど勤務した後に独立を果たしました。

相続と司法書士の業務にはとても深い関わりがありますが、開業してしばらく経った頃、相続に関してより深い知識を持ち、お客様と対話していく必要性を感じたそうです。そこで色々調べて相続アドバイザー協議会で学んでみようと思ったのが受講のきっかけなのだとか。

「心の相続」を学んだことが今の仕事に息づいています

実際に講座を受けてみた感想について伺ってみると、「多様な側面から相続を捉えることができ、多くの知識を得ることができました」と池田さんは語ります。

税理士、弁護士などの士業の方をはじめ、保険、不動産など、実際に相続の問題に関わった方々が講義を受けたことで、多角的な学びを得ることができたとのこと。
税務の授業では、司法書士の池田さんにとって専門外の分野でしたが、講義の内容が非常にわかりやすく、授業で使ったレジュメは税金関係のことで調べものをする際に今でも活用しているのだとか。

なかでも印象に残っているのが、講座の第一回目の野口賢次先生の講義。「心の相続」といった相続人・被相続人の立場に寄り添う根本的な考え方について、「このようなお話から入る相続講座はなかなか他にはないと思います」と池田さん。この「人間力の大切さ」の考え方は今のご自身の仕事への姿勢にも繋がっているそうです。

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安心と信頼を築ける仲間との出会い

また、養成講座を通じて多くの人脈に恵まれたという池田さん。懇親会を通じて講師の先生や一緒に学ぶ仲間と親しむ機会が多く、先生や仲間の「人となり」を理解することができた、と養成講座ならではの魅力をさらに語ってくれました。
「これまで、多くのセミナーに参加してきましたが、その場限りになってしまったり、人間関係が浅いものになったりしがちですが、この養成講座では徐々に関係性や信頼を深めていける機会が多かったのはとても良かったです」。

「仕事を取ろう」や「お金を稼ごう」も必要ですが、それだけが目的ではなく、様々な職種の方と繋がり、学び合ったり、自分の専門外のわからないことを気軽に聞き合えたりできる関係性が築けたことが非常に大きかったといいます。

養成講座で知り合った仲間とは、ともに勉強会を開催するほかにも、年齢も経歴も様々な女性が4人集まり、相続案件を解決する「チーム相続なでしこ」を結成させたのもこのご縁から。プライベートでは旅行に行くこともあるほど安心と信頼を持っているそうです。
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野口先生に教えていただいた「クライアントに寄り添える人間力」。その同じ理念を持ったもの同士が集まり、そこから仕事でもプライベートでも助け合える仲間に恵まれているのが池田さんの強み。ここで学んだ知識と人脈が、池田さんの仕事の新たな可能性を広げつつ、また、立ち返る基本の軸となっていることがインタビューを通じて伝わってきました。

対応事例1:「心の相続」の考え方は後見人の仕事にも息づく

池田さんは司法書士業務の一環として、後見人としても活動しています。高齢女性の後見人として就任、女性の夫が亡くなったため、後見業務の一つとして相続手続きにも携わっています。女性は認知症で年金暮らし、関わってくれる親族の方もいません。女性の生活がお墓の維持費などで侵害されてしまう恐れがあるため、女性の目線に立って財産を守るために最善の方法を見出せるように進めています。
後見から入らなければわからなかったことも多く、これからの時代に増えてくる課題でもあるので「被相続者の方にとってのベスト」を探りながら今後に繋げたいと語ってくれました。

対応事例:2 相続に関わる人たちへの小さな配慮が大きな安心に

他の士業の方が担当する相続財産管理業務で、相続人の中に意思能力のない方がいたため、池田さんはその方の後見人(当事者)として遺産分割協議に参加されたのですが、その後、相続手続きが止まってしまったにも関わらず、担当士業の方から半年以上報告がないという経験があったことから、自分自身が相続業務に携わる際には相続人の方々に安心してもらえるよう逐一状況を伝えるように心がけているそうです。また、相続に関わる方が多忙な場合には、必要書類で何度も手を煩わせないよう事前に案内するなどの心配りを大切にしているのだとか。
当事者の立場に立って物事を考えることで見えてくるものがあり、安心や信頼できる関係が生み出されていくことは、養成講座で学んだ「相続人ファースト」の理念が息づいていて、これは相続関係の仕事で今後も大切にしたいことだそうです。

池田 直子さん

大学では法律学を専攻、新卒で都銀に入行。支店勤務の後に本部で住宅ローン関連業務に携わる。2002年司法書士試験に合格。都内の司法書士事務所勤務を経て2008年に独立し、司法書士池田事務所を設立する。細やかな配慮とていねいな対応をモットーに活動中。社団法人 成年後見センター・リーガルサポート 東京支部会員。