生まれ育った世田谷の地で、親世代から変わることなく「地域に根差した税理士」として活躍し続ける真保裕行さん。

もともと相続を専門とはしていなかったものの、相続アドバイザー養成講座に出会ってから新しい世界が拓け、今では相続関連の依頼が大多数を占めるほどにもなっているのだそうです。

「相続人の幸せを考えるということ、そして親族の御縁を絶対に切らせないということ、そして相続人に損をさせないことを何よりも大事にしています」と語る真保さん。

地域のため、そして相続人の幸せのために相続アドバイザーとして働く真保さんに、「相続は仕事になるのか」を詳しく伺いました。

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「どうやったらご兄弟が縁を切らずに済むのか」など、実務が”上手くいった”ときに相続の仕事は面白いなと思いますね。

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真保裕行さん
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相続アドバイザー養成講座への入口は、野口賢次先生との運命的な出会いから

真保さんが相続アドバイザー養成講座の存在を知ったのは、武蔵小杉駅前で清掃活動を行っているときでした。その会の活動にちょうど野口賢次先生も参加しており、意気投合して誘いを受けたのだそうです。

最初は「土曜日に相続の勉強会を開催しているから参加してみないか」と言われ、そこから養成講座にも参加していく流れになりました。

今では真保さんは小学校で租税教室を行うなど、相続の第一線にいる税理士として活躍しています。そんな真保さんも、当時は開業したてであったために講座の費用の高さに少し受講を迷ったそうですが、「今思っても受講して良かった」としみじみ振り返ります。

養成講座を受けてみると体系的な相続の知識が身に着き、仕事の幅が広がった

意を決して養成講座の受講を始めてみると、相続関係についての「全般的な知識が非常に身に着いた」ことを痛感したそうです。相続の仕事は税理士の力だけでは成り立ちません。生命保険業者や他士業との連携が必要不可欠です。真保さんは講座を通してそれらの多岐に渡る知識を得られ、かつ相続のことに強い関心を持つこともできました。

もともと真保さんの仕事は法人の監査業務が中心で、相続のことは専門にはしていませんでした。そのため、講座を受けるまでは相続の案件に対して腰が引けていたところがあったのだそうです。

しかし、受講を経てから少しずつ相続案件も引き受けていき、徐々に相続業務に対する自信がついていきました。野口先生から「まずはやってみなさい」という言葉を貰ったことにも背中を押されたのだといいます。

養成講座からでしか得られない「良い御縁」に恵まれ、ネットワークも大幅に拡大

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真保さんは、養成講座を通して享受したメリットの1つとして「良い御縁に恵まれたこと」も挙げています。平成19年(第13期)に受講して15年経った今も、同期生をはじめとして多くの人との繋がりがあるようです。このインタビューをしている間にも、現在でも一緒に仕事をすることがある13期生の人からの着信があったため、絆の強さが伺えます。

初めて規模の大きい相続の案件を受けたときは、佐藤健一先生から直接教えを受けながら市役所に行ったり現地調査をしたり、といった仕事を真摯に行いました。「相続の仕事はこうやるんだ」という実感と、相続を仕事にする面白さをそこで佐藤先生から学んだのだといいます。

真保さんが養成講座で出会った人々は、みな「何よりも相続人の幸せのために」という理念を共有した同志たち。今ではこの同志である司法書士の仲間に対して、相談者の遺言作成や遺産分割協議書の作成を頼むことも。真保さんが他士業との強いネットワークを持っていることで相談者は一括して相続を一任できるため、相談者にとっても助かる部分が大きいのだといいます。

また、保険のプランナーをしているとある同期生からは別の勉強会に誘われたり、その人自身から仕事の御縁を貰ったりすることが今でもあるそうです。

講座で教わったことは15年経った今も相続アドバイザーとしての原点でありバイブル

「今も養成講座のレジュメはファイリングして取っておいています」と語る真保さん。インタビュー中にもそのレジュメを画面越しで見せてくれました。

真保さんが特に印象に残っているのは、1コマ目の野口先生による「相続の基本と仕組み」。現在でもこの内容は、真保さんがセミナーで講師を頼まれた際に非常に参考にするパートなのだそうです。実際に相続人から相談を受けた際にもこれが活きていると感じることが多く、時折この原点に立ち戻りながら相続業務に携わっています。

また、佐藤先生のレジュメや、故・内藤雄先生の教えも非常に活きていると真保さんは語ります。「負債相続などは、何件かはこのテキストを使って相続放棄をしました。本当に(相談者様からは)感謝されましたね。内藤さんのレジュメをコピーして使っていました」とのことです。

「相続人の幸せを考えてどうやって実現するかとか、どうやったらご兄弟が縁を切らずに済むのかというのが、実務を行って”上手くいった”ときに面白いなと思いますね」と、相続のやりがいを真保さんは語ってくれました。

対応事例:講座を受けて出会った人と共に、祖母の代に出来ていなかった過去の相続の解消に携わる

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現在真保さんが携わっている案件には、母親の相続について相談に訪れた女性への対応事例があります。この女性はそもそも母親以前に祖母の相続ができておらず、かつ祖母が不動産を所有していたため、「もはや相続をどうしたらいいか分からない」と相談を持ち込んだのだそうです。

真保さんはこの相談に対し、養成講座を通じて出会った他士業の方に打診。過去の相続の整理をまとめるのを手伝ってもらいながら、現在仕事を進めているといいます。

これを対応するにあたっても、講座で学んだ「どうしたら相続人が幸せになれるのか」を常に考えているのだとか。

「税金をこうすればこのぐらい安くなるという話は確かにできるんですけど、それだけじゃない気がするんですよね」と真保さんは語ります。「この分け方で後から相続人が苦労しても……というのはあるので、税金だけじゃなくて残された相続人の方がきちっと解決して、うまく幸せになれるか」を思考するようにしているのだそうです。

会計事務所のスタッフにも、真保さんが受講していたことを受け、これから相続アドバイザー養成講座を受ける人がいるのだそう。養成講座で学んだどこまでも相続人第一の理念は、これからも継承されていくといえるでしょう。

真保裕行さん

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