1度だけではなく、相続アドバイザー養成講座を2度受けているという吉野喜博さん。
吉野さんは現在公認不動産コンサルティングマスター兼相続対策専門士として主に活躍しており、ご自身1人で相続セミナーを行ったり、相続の相談会を開催したりなど精力的に活動をされています。
吉野さんは2度の養成講座の受講経験を活かして、現在どのような相続の仕事に携わっているのでしょうか。
「相続は仕事になるのか」を詳しくお聞きしました。

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相続人同士が揉めないこと、相続人が幸せになることを目指して仕事をしています。

有限会社フォア ザ ワールド
吉野喜博さん
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相続アドバイザー養成講座は合計で2回受講。2回受けるとあらゆることにメリットが生まれる

吉野さんは2008年に第14期の相続アドバイザー養成講座を受講し、さらにその7年後の2015年、第34期にまた再受講をしています。
2回受講したきっかけは、現代の多様化する不動産業のニーズに応えたいという思いから。

吉野さんは現在有限会社フォアザワールドの代表として不動産仲介やコンサルティング等の業務を行っていますが、「インターネットが絡むと単純な仲介だけの知識ではだんだん通用しなくなってくる。不動産にも相続やコンサルを含めていかなければ今後はやっていけない」という危機感があったのだそうです。

吉野さんは「自分自身、相続の実践が足りてなかったので、せめて知識だけでも入れよう」と思い、相続アドバイザー養成講座を受けることを決めました。

1回目に受講しただけではあまり相続に関して自信を持てなかったことも、2回目を受講すると大きな自信に繋がり、同業とも他士業とも深いネットワークが生まれていきました。「せっかく何十万もかけて学ぶものですから、アウトプットして皆さんのお役に立ちたい」。吉野さんは相続人同士が揉めないこと、相続人が幸せになることを目指して仕事をしています。

志が高い人ばかりが集まる講座は魅力的だった。現在は1人で相談会・セミナーを開くことも

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講座を担当している野口賢次講師による「心の相続」の話が、それまで聞いたことがないような内容で感動した、という吉野さん。

養成講座の内部は、単なる損得勘定だけではなく、野口先生のように相続で本当に争いを無くそうとしている志の高い人々が集まっているという環境。
相談者だけではなく相続人全体に公平になるよう仕事をする理念も浸透しており、体系的な知識・マインドを深く学べる環境だったといいます。

吉野さんが「講座は2回受けた方が全然良い」と語るのは、1回目には無かった信託など、内容が回を追うごとにアップデートされているという要因もあるのだそう。

相続には親・子の思い、法律、税金、介護など様々な要素が絡んでおり、人によって対応を変える必要があるからこそ、断片的な知識だけでは太刀打ちできない問題になっています。養成講座ではその最新情報を教えてくれるものでもあるため、大きな意味があるといいます。

これらの学びを受け、吉野さんは現在所沢で1人で相続相談会も開いています。

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最初は1人でやるには勇気が必要だったそうですが、講座で出会った野口先生に飲み会の時に相談して「やってごらん」と背中を押されたこともあり、継続的に続けているのだそうです。また、この他にも同業の知り合いのセミナーに参加させてもらい、相談員をすることも多いといいます。

今現在、行政書士や社労士、税理士など他士業とのネットワークは、養成講座で出会った人がほとんど。相談会で何か分からないことがあっても、顔見知りになっている他士業の人に気軽に相談できる環境があることは心強い、と吉野さんは語ります。

対応事例1:兄弟4人の相続。複雑な課題を贈与で解決

吉野さんの知り合いから相談を受けた事例の1つに、「親の家をどうやって切り分けて相続したら良いか」という案件がありました。

相談者は4人兄弟の次男。埼玉県のとある地方都市に住んでいた一人暮らしの父親が亡くなり、空き家になったため、次男がその後は住んでいました。しかし土地自体は祖父の名義であり、遺言では長男に相続させる旨を書き残していたために長男が登記をし、話が複雑になってしまっていたのだそうです。

そこで、売買か贈与か、という話に。
しかし売買になると譲渡所得税や住民税が長男にかかるため、最終的には長男の土地名義になっていたところを次男に少しずつ分けていく贈与にしたが、連年贈与という形を取らないで上手くまとめることを成功させました。

対応事例2:店舗兼自宅の建物をどう相続するか。遺言書作成のサポートも

もう1つの事例も、知り合いからの相談です。

建物の1階を店舗にしながら商売を営む男性から、「そろそろ年なので、子供3人に宛てて遺言を書きたい」と依頼を受けました。

行政書士ではないため実際に遺言書を書くことはできないものの、遺言を書く前に、相談者自らの意思をしっかり子供たちに伝えようという遺言作成のアドバイスを行ったそうです。

最終的には次女に店舗兼自宅の建物と預貯金を全て相続させることにしたそうですが、亡くなった後に姉妹間で争いが起きることはいけないため、積極的なコミュニケーションを取ることを勧めたといいます。

ここでも他士業とのネットワークが働きました。相続税の税務については税理士と相談しながら、協力してサポートを行ったそうです。

吉野さんは現在も所沢を拠点として、幸せな相続を実現するために活動しています。

吉野喜博さん

有限会社フォア ザ ワールド

1951年、広島県広島市生まれ。 呉高専建築学科卒業。
建築の計画・設計・監理、不動産の企画・開発・販売、土地の仕入れ等の業務を経験の後、相続の道へ。
現在、所沢市にて相続勉強会&相談会を毎月開催中。
その他、各所で相続セミナーの講師、及び相続相談会の相談員を担当。
NPO法人相続アドバイザー協議会認定会員 上級アドバイザー、一級建築士、公認 不動産コンサルティングマスター 相続対策専門士、宅地建物取引士