養成講座で学んだ事例や知識は、現在、私が行っているセミナーでも使わせてもらっています。
ウエストエリア株式会社 代表
大村 武司さん
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相続で差別化を図ろうと毎日の勉強をスタート
賃貸管理、賃貸仲介を担当して、大手不動産会社で10年売買仲介を経験した後、センチュリー21に参加するかたちで独立、不動産業界で28年になります。
2016年10月、思い立って相続の勉強を始めました。以来、毎日の勉強を続けています。
当初は本を片手に独学。その後、専門的な講座があると紹介していただき、相続アドバイザーの養成講座40期(2017年)を受講しました。
もともと「不動産登記受付帳」から相続登記された方に売却しませんかとアプローチするなど、相続物件への活動は取り組んでいました。
ただし、今思えば知識はないまま、相続後の物件の売却を扱っていただけでした。
周囲にも同じようなサービスを扱う不動産会社が増えてきて、このままでは競争に勝てない、相続が起きる前にお客様と知り合う必要があると考えたことがきっかけでした。
相続セミナーを開催すると決め、半年あれば準備できるだろうと独学を始めたものの、これでは足りない、ホンモノを知る必要があると知人に相談していて、相続アドバイザー協議会に出会いました。
受講してみると、不動産に限らず幅広い分野の勉強ができて刺激的でした。
現在はzoomでの受講が可能になっていますが、当時は東京まで、毎週水曜日に日帰りで通いました。
講座は2時間、移動は6時間、毎回、最終の新幹線で帰宅するのは結構きつかった記憶があります。
それだけに一言一句、聞き逃さないようにと真剣でした。
実務に裏打ちされた各専門家の話には、どの講座にも、複数のなるほどと思えるアイデアやテクニックがあり、すごいなと思いました。
独学では知り得なかったことの方が多く、理解したつもりでいたことも間違いに気づくといったことがあり、とても役に立つ講座でした。
この時に学んだ事例や知識は、現在、私が行っているセミナーでも使わせてもらっています。
セミナーはブランディングの一環
私が開催した初回のセミナーは、相続アドバイザー養成講座の終了前だったように思います。とりあえず間に合ってセミナー開催ができましたが、広範囲な知識は常にアップグレードが必要なので、今も日々の勉強を欠かしません。
相続にひそむさまざまな問題に気づき、司法書士、弁護士、土地家屋調査士、税理士など、どの専門家が扱う分野なのかを判断し、適切なタイミングでつなぐことが重要です。そのためにも、例えば税金の計算方法がわかっていると相談者をスムーズに税理士につなぐことができます。
自社の1階にセミナールームを設け、ほぼ毎月、4種のセミナーを順に開催、さらに年に1回は税制改正に関するセミナーを開催しています。
参加者募集には、ポスティングと新聞折込を現在はトータル2、3万枚撒いています。受けられるとは限りませんが、補助金も活用しています。
セミナー開催を始めた頃は参加者が1人しかいなくて、スタッフや知人を動員して体裁を整えるというようなこともありました。
相続セミナーを開催することで、潜在顧客と出会い、案件化するまでには、かなり時間がかかると気づいてからは、ブランディングの一環と捉えています。
セミナーを開催して、SNSで告知や開催報告をしているうちに、保険業界やファイナンシャルプランナーの研修に講師として呼ばれるようになりました。
7年になる今では同業の不動産業者からも講師のお声がけをいただくことがあります。
基本的には異業種で講師を務めることで、すぐに仕事となる紹介が発生。相互に紹介し、紹介されるという関係を築いています。
また、セミナーを一人で開催して集客するのは難しいので、司法書士やFPで保険を扱っている人、弁護士、税理士といった専門家と一緒に開催するようになりました。
相続アドバイザー協議会で一緒に勉強した仲間には、頼めば手弁当で協力してもらうことができます。仕事が発生したときに紹介したり、もらったり、一連の相続手続きを分業しています。
セミナーを開催するために毎回レジメを作成することで勉強にもなり、話すと忘れないというメリットも感じています。
相続に詳しい不動産会社として
ブランディングに成功し、相続関係の不動産売買を業務の中心としています。
私の役割は、相続した不動産を売却する必要がある場合、お客様の手取りを増やして差し上げることです。
以前に勤めた大手不動産会社では「税金の話はするな」と教えられました。知らない話をすれば問題を起こす可能性があるからです。
しかし、相続アドバイザー協議会で勉強してからは、税金も含めて数字で違いが出せることを伝えられるようになりました。相続には、民法も税法も絡みます。司法書士は民法を知っていても税金のことはわからない。税理士は税金に詳しくても民法はわからないという人が多く、どちらも知っていることが強みになります。
地域に必要な人材となり得るわけです。
単純に不動産を高く売却するだけでなく、不動産業者の知識の有無で手取り額に差が出ます。
数百万円変わってくることも珍しくありません。
不動産売却にあたり、不動産ROA診断のなかで相続税評価と査定価格の概算を提示しますが、特に査定価格(民法では時価)がわかるのは不動産会社の特性だと思っています。
私は、これらを一覧表で提示して、遺産分割は公平か、遺留分を侵害していないか、などもひと目でわかるようにしています。
そして、最終的に相続した不動産の売却後これだけ手取りに差が出たということを、お礼を兼ねてすべての関係者に伝えるようにしています。
関係者も「頼りになる不動産会社を紹介してくれた」とお客様から感謝されて、信頼される結果になり、次のご紹介にもつながっていきます。
対応事例1:相続した不動産の売却でお客様の手取りを増やす
単純に不動産を高く売却するだけでなく、不動産業者の知識の有無で手取り額に差が出ることを数字で伝えています。数百万円変わってくることも珍しくありません。相続税評価と査定価格の概算を一覧表で提示して、遺産分割は公平か、遺留分を侵害していないか、などもひと目でわかるようにしています。
対応事例2:異業種の専門家とセミナーを開催
セミナーを一人で開催して集客するのは難しいので、司法書士やFPで保険を扱っている人、弁護士、税理士といった専門家と一緒に開催するようになりました。相続アドバイザー協議会で一緒に勉強した仲間には、頼めば手弁当で協力してもらっています。仕事が発生したときに紹介したり、もらったり、一連の相続手続きを分業しています。
大村 武司さん
ウエストエリア株式会社 代表
https://www.westarea.jp/
不動産業
上級アドバイザー
1級ファイナンシャルプランニング技能士
宅地建物取引士
上級相続診断士
相続コーディネーター
行政書士(取得中)
1972年、鳥取県倉吉市生まれ。大学進学で大阪へ。大手不動産会社で賃貸管理、賃貸仲介を経験後、センチュリー21に参加。差別化を図ろうと、2016年10月に相続の勉強をはじめ、翌2017年(40期)、相続アドバイザー協議会の養成講座を受講。相続セミナーでブランディングし、紹介を中心に不動産事業を軌道に乗せてきた。