大阪で、複数の不動産を所有するオーナーに向けて、「相続の事前対策と相続後の不動産運用の両輪を考えた対策」という不動産コンサルタントを行っている岡原隆裕さん。オーナーたちの悩みに向き合うには、相続の知識が必要と相続アドバイザー協議会の講座を受講したそうです。相続アドバイザーの活用について伺いました。

相続アドバイザー協議会の養成講座で独立を決意コンサルティングは武器になる

株式会社つばさ資産パートナーズ 代表取締役
岡原隆裕さん
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不動産オーナーの本質的な課題に応えるコンサルタント

独立以前から、不動産オーナー向けに土地活用やリノベーションによる家賃UPを提案する仕事に携わってきました。
オーナーと親密になるので、いろいろなご相談をいただきますが、相続分野となると知識がなく、税理士を紹介して終わりとなっていました。同席することがあっても、税理士とオーナーが二人で話しているのを聞いているしかないという状況でした。

お客様が大手ハウスメーカーの提案を受けて、節税対策になるからとアパートを建設。しかし、立地が厳しく入居者募集に苦戦することになり、結果的には建てないほうが良かった、負債として相続するのか悩みの種となってしまったというケースなども見てきました。
中長期の視点でアドバイスができず、オーナーの力になれなかったという忸怩たる体験でした。

これではいけない、相続に関する知識を得たら良いのではと思っていたときに相続アドバイザー協議会に出会いました。

講座では、相続の実務にたけたさまざまな専門家の話を聞くことができます。
どの講座も興味深く、とても勉強になりました。そして、講座のなかで不動産分野でも相続を中心にしている会社があることも知りました。

オーナーが不動産の処分、活用を考える時に、不動産を売買した方が良いのか、活用が良いのかと悩むなかで、中長期の収支予測を示すことで選択肢の提案ができるコンサルタントが必要になると感じていたことに、相続アドバイザー協議会で得た知識があれば対応できると確信。
大阪にはコンサルティングを軸とした不動産会社がなかったので、ビジネスチャンスがあるのではと独立の背中を押される講座内容でした。受講後10か月ほどたった2013年7月に株式会社つばさ資産パートナーズを創業しました。

3か月に1度の定期セミナー「つばさ資産塾」で認知度拡大

何人かのオーナーに話をしたところ、「是非やってほしい」とご依頼いただき、不動産コンサルティング事業はスムーズにスタートしました。

しかし、その後も続けて受託とはいきません。
そこで、3か月に1度の定期セミナーとして「つばさ資産塾」を開き、DMやSNSでセミナー情報を発信するようになっています。
徐々に「相続の事前対策と相続後の不動産運用の両輪を考えた対策」ができる不動産コンサルティング会社として認知度も広がり、現在11年目に入っています。

相続アドバイザー協議会の講座は、実務の現場で活躍してきた方々の話が中心です。
経験者でなければ気づきようがない、コンサルティングの注意点やちょっとしたポイントがいくつも語られます。
相続相談に対応するには、司法書士、弁護士、土地家屋調査士、税理士など各専門家の専門知識も必要で、一人では解決できません。受講を通して各専門家とも知り合い、提携先としてアドバイスをもらったり、仕事を紹介し合える人脈ができました。

相続は奥が深く、ケースバイケースなので、他の専門家の専門知識も必要になることがわかっていて、全体の道筋がつけられるようになることが最大の財産となります。

何人かの専門家とゆるく提携し、相談者が年配の女性であれば、話しやすいであろう女性の専門家と連携するなど、複数の専門家と連携し、依頼者によって紹介先を変えています。

相続を見据えて、事前対策もしながら、賃貸経営や売買をサポートするのが仕事です。
賃貸物件の価値を上げて、承継したいと思うような物件にすることが私の専門で、遺言書の作成、相続税の試算などまでアドバイスし、他の専門家と連携して対策しています。

顧客は、事前対策が重要だと知るオーナー

「つばさ資産塾」のテーマは、「絶対に知っておくべき相続税対策~不動産相続専門家からの警鐘」としているように、不動産相続の専門家としてブランディングし、相続・承継の認識のある方々が顧客となっています。

法人化、所得分散など承継のスキームを整える方向で、事前対策を中心にコンサルティングしているということです。

相続で揉めないように手を打ちましょうという話ができるのは、相続アドバイザー協議会でたくさんの事例を学んだからです。
「不動産を共同名義にすると、のちのち揉める火種になります」とか、
「不動産を3人・4人で分けるのは難しく、1人に偏りがちになるので、相続人が納得できるような対策をしておくことが大切」といったアドバイスをしています。

揉めてしまえば資産を減らすことにもなります。
長男に不動産を承継させますが、プライベートカンパニーの名義に変更して、次男、長女を法人役員にしたり、生命保険で次男、長女にもお金が流れるように対策します。アンバランスではあっても、なぜ長男に不動産を引き継ぎたいのか、不動産にはリスクがあることも含めて被相続人の想いを伝えることで、相続人が傷つかないよう心のケアまで考える必要があることを伝えています。

遺言書として書面で残すだけでなく、被相続人が元気なうちに、「こういう分け方をするから頼む」と直接、話してもらうこともしています。

コンサルティングは不動産で生き残る武器になる

不動産仲介業は、宅地建物取引士として物件の調査・説明を行い、売買・賃貸の手数料をいただく仕事です。その前段でコンサルタントとして相談者の要望に対する最善の提案ができることが付加価値となります。

不動産仲介業は、売却・購入ともに大手企業の占める割合が年々増加してきています。
そのなかで、コンサルティングは生き残りの武器になると考えています。

オーナーにとって、一時の節税を目的としたアパートなどの建設だけを説かれても、中長期や将来の相続を見据えた提案でなければ、結果的に求めているアドバイスにはなりません。
こうした視点を持つためには、相続アドバイザー協議会が提供しているような勉強をすることが必要です。
不動産には、時価、公示価格、相続評価、固定資産税評価の4つの価格があり、税理士でも相続税の計算は出来ても不動産のことになるとわかっていないという人も多いものです。

10年、20年という単位で有効な不動産活用をトータルに提案できる不動産コンサルタントは、今後ますます必要になると思います。
例えば、アパート建設をすれば、建設した後は、経営が必要です。放っておいても安定収入になるというものではありません。賃料収入があっても、老朽化すれば修繕費が必要になり、ローン返済額もありますので、手元にお金が残らないケースも出てきます。

私は一般社団法人 大阪府不動産コンサルティング協会で副会長も務めています。
オーナーの期待に応えられるコンサルタントの認知度を上げていくことで、不動産業界そのものも良くなると思って活動しています。

相続アドバイザー協議会での学びは、その後も卒業生向けの「寺子屋」などで継続し、仲間とも連携しています。

対応事例1:相続で揉めないように手を打つ

「不動産を共同名義にすると、のちのち揉める火種になります」とか、「不動産を3人・4人で分けるのは難しく、1人に偏りがちになるので、相続人が納得できるような対策をしておくことが大切」といったアドバイスをしています。揉めてしまえば資産を減らすことにもなるからです。法人化、所得分散など承継のスキームを整えるお手伝いをしています。

対応事例2:10年、20年単位で不動産活用をトータルに提案

オーナーにとって、一時の節税を目的としたアパートなどの建設だけを説かれても、中長期や将来の相続を見据えた提案でなければ、結果的に求めているアドバイスにはなりません。10年、20年という単位で有効な不動産活用をトータルに提案できる不動産コンサルタントは、今後ますます必要になると考えて、活動しています。

岡原 隆裕さん

株式会社つばさ資産パートナーズ 代表取締役
https://sozoku-fudosan-salon.com/professional/354
相続対策専門士
公認 不動産コンサルティングマスター
CPMⓇ(米国公認不動産経営管理士)
宅地建物取引士
賃貸不動産経営管理士
空き家活用士

地主・家主様を対象にPM(不動産管理)、リノベーション、土地有効活用、不動産仲介、不動産投資、不動産コンサルティング等を行ってきた経験を生かして、2013年7月に株式会社つばさ資産パートナーズを創業。不動産相続の専門家として、地主・家主様、資産家向けに不動産相続、資産承継のコンサルティングと不動産業務(売買、賃貸管理、リノベーション、長屋再生)行っている。