「いつもオーナーさまのそばに居てさしあげられるような仕事をしていたいです」と力強く語る小峰さんは、相続アドバイザー養成講座の第1期生でもあります。
現在でこそさまざまな難しい相続案件に携わって功績を残している小峰さんですが、もともとは不動産業をしていても相続アドバイザーとしての知識・経験はなく、かつ相続を共に学ぶ仲間も身近に居ないところからのスタートでした。
養成講座の第1期生としての誇りを持ち続けて仕事をしている小峰さんに、今回も「相続は仕事になるのか」を詳しくお聞きしました。
相続アドバイザー養成講座を受ける前と後とでは、相続に関する情報発信の機会が格段に多くなりました。
株式会社大洋不動産
株式会社こみぐみコンサルネットワーク
小峰裕子さん
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相続の仲間が居ない中、新聞で見た相続アドバイザー養成講座の記事に目が釘付けに
平成元年当時、不動産業者の中で積極的に相続を学ぼうとする仲間はほとんど居なかったそうです。そんな中で、宅地建物取引士とファイナンシャルプランナーというダブルライセンスを取得した小峰さんは、お客様と話をしているときに「今の自分の仕事には奥行きが足りない」と感じた、といいます。
相続は不動産と密接に関わる分野。その「奥行」を広めたいと思っているさなか、小峰さんはとある新聞で相続アドバイザー養成講座がスタートするという記事を見つけました。小峰さん曰く「目が釘付けになってしまった」とのことで、すぐに申し込みをしたのだといいます。
九州の相続寺子屋で相続の仲間を見つけ、そして東京で開催される養成講座に毎週参加。金額は決して安くはないもののそれ以上の価値があり、何より当時は「そういう講座がどこにもなかった」ことから、小峰さんは熱心に通っていました。
「こんな話聞いてきたよ」と周りに言いたくなる。講師陣の熱さに感動し続けた受講の日々
実際に講座を受講してみると、講師陣が現役第一線で相続の実務を行っていることから、「普通の研修講座とは熱量が全く違う」という印象を覚えたそうです。仕事上で経験した事例を引き合いにしながら具体的な説明を受けられるため、講座の一つ一つが「周りの人に”こんな話聞いてきたよ”と伝えたくなるような」ものでした。
全講座を受講してみると、相続アドバイザーとしての小峰さんの中に屋台骨が作られた感触がしたといいます。受講する前は単純に知識を学ぶだけだったつもりが、残された家族の笑顔はしっかり守らなければ簡単に壊れてしまうという相続のリアルを知ったり、相談者の話から何が問題かを感じ取る能力が相続の実務では必要であることを実感したり、といった学びを得たそうです。
小峰さんが驚いたのは、10周年記念のイベントで久々に会った講師陣の考え方が良い意味で全く変わっていなかったこと。その考え方というのは、相続アドバイザー協議会の理念である「相続の本質は人の幸せ」というもの。小峰さんが「相続アドバイザー協議会は私の土台を作ってくれた恩人でもあり、いつでも帰っていける拠り所」と語る所以になっています。
また、講座を受けている間にも同期生と講師との懇親会は頻繁に行われていたそうですが、それとは別に野口先生と第一講座で意気投合したことで一緒に飲み会に行き、親睦を深めたこともあったといいます。野口先生や同期生だけでなく中條尚副理事長ともよく関わり、「気が付いたら長くお付き合いしていた」と語る仲間は多いとのことです。
講座を受けてセミナーや無料相談会も開催・登壇し、仕事に奥行きが出るように
講座を受ける前と後とでは、相続に関する情報発信の機会が格段に多くなったといいます。相続のセミナーや無料相談会に教える側として参加することが増え、日頃の不動産業務でも常に相続のことを話に絡めるようになりました。
すると小峰さんは「相続の人」という一面でもお客様から認識されるようになり、養成講座を受講する際に持っていた「仕事に奥行きを持たせること」が実現できたのだそうです。
養成講座を通じて培った人的ネットワークも小峰さんの財産になっています。今でも第1期の同期生とは同じ仕事をすることがあり、相続に関する勉強会を養成講座からスピンアウトして作るといった活動も行っているといいます。
また、小峰さんが依頼を受けたお客様が東京にいたり、一方で相続アドバイザー協議会の関東の会員で不動産が福岡にあったり、という場合には、お互いに仕事を紹介し合うことがあるそうです。「同じ講座を受けた者同士だからこそ信用できる」という理解のもと、そういった関係が生まれています。
不動産の仕事は大きなお金が動くため、報酬云々の話になりがちです。しかし、不動産も相続も、小峰さんからすれば「人と人とを繋ぐ仕事」であり、報酬の多寡はあまり重要ではないもの。養成講座を受けたからこそこの事実に気づくことができ、そして人を繋ぐ責任の重大さも学べたといいます。
対応事例:再婚した場合の相続問題。先妻の子供と相続人の後妻たちの相続放棄
小峰さんが対応した事例の1つには、亡くなった先妻と残された息子、そして後妻とそのご兄弟という複雑な人間関係のなか、結果的には相続人である後妻が相続放棄を選ぶことになったというものがあります。
ある専門職の方から「財産を譲り受けたいということで先妻のご子息が相談に来ているのですが、いかがでしょうか」という旨の手紙が相続人の元に届いたようで、これをどうするべきか、と小峰さんは相談を受けたのだそうです。
この中で小峰さんが担当した主な仕事は、相談者の話の聞き役でした。一見シンプルですが、小峰さんが熱心に対話を繰り返して相談を重ねることで相続人同士の中で結論がまとまり、先妻の息子さんに財産を譲る、という形で一致したようです。
小峰さんはこの一連の仕事を、自治会で行われている相続の相談員として、ボランティアで行っていました。「私がしている仕事はメッセンジャーのような仕事ですけれども、その中で相談者様にどうしたらいいかを聞かれたときなどには、養成講座で受けた教えを活かして解決策を出しています」と振り返ります。
「やはり自分が関わる人は誰しも幸せになってほしいじゃないですか。自分が仕事をすることでその方が幸せになってくれるのなら、それより嬉しいことはないです」と言う小峰さんは、相続の相談を受ければ受けるほど相続アドバイザーの理念がいかに大切かが身に沁みていくそうです。
不動産業は情報産業でもある、と語る小峰さん。「やはりオーナーさんに私達が知り得る情報を届けること、オーナーさんと私達の情報格差をなくすことが大事なんじゃないかと思っています」といいます。それを達成し続けるためにも、今も相続の勉強を重ねる毎日だそうです。
小峰裕子さん
株式会社大洋不動産 株式会社こみぐみコンサルネットワーク
https://taiyo-f.jp/
■出身地/東京都
■地域/福岡県福岡市
■資格・職業/
・ファイナンシャルプランナー(CFP)
・不動産業
・宅地建物取引主任者
・不動産コンサルティングマスター
・賃貸不動産経営管理士
・福祉住環境コーディネーター
■著書/やさしく学ぶ・FP技能士3級 不動産