ファイナンシャルプランナー(FP)の伊達寿和さんは、独立するために参加していた勉強会に相続アドバイザー協議会のメンバーがいたことから講座を受講。生命保険の販売やローンの仲介を収入源とはしない本来のFP業務に集中して信頼を得ています。相続アドバイザー資格の活用について伺いました。

講座受講後も「寺子屋」などで学び、ネットワークを広げています。

マネーライフ・ラボ三鷹 代表
伊達寿和さん
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「家計の安心、充実した暮らしのサポート」をするために

電機メーカー勤務中に国家資格である1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産運用設計)などの勉強を始め、日本ファイナンシャルプランナー協会認定のCFP®を取得したタイミングで退社、翌2016年に「マネーライフ・ラボ三鷹」を開業しました。
 
保険会社や銀行でも、お金の相談はできるうえに相談料は無料です。FPには生命保険の販売や住宅ローンなどの仲介をしている人が多いなかで、私の場合は本来のFPとして「家計の安心、充実した暮らしのサポート」を理念に活動しています。
私のように純粋に個人の立場でアドバイスをするFPの認知度も徐々に高まってきていると感じています。

CFP®は2年ごとに更新が必要な資格だということもあり、FPの勉強会には定期的に参加して、知識の更新をしています。
吉祥寺にあるFPの勉強会に独立前から参加していて、この勉強会の代表者が相続アドバイザー協議会のメンバーだったことから、「相続分野も知っているといい」と紹介いただき、受講しました。

ほかにも住宅ローンアドバイザーの資格などを所持しています。

相続アドバイザー協議会の学びはリアル

相続についてはFPとして最低限の知識を持っていましたが、相続アドバイザー協議会の講座を受講して、何も知らないに等しいことがわかりました。

各専門家として相続の実務にあたってきた講師陣の話は、具体的な事例が豊富でなまなましく、大変だと感じることもたくさんありました。さまざまな事例について、細かく、丁寧に語っていただいたことがとても役立っています。

FPはお金の不安を解消することが使命です。
相談内容は住宅ローンや教育費、保険、資産運用、親からの贈与の仕組み、相続など、広範囲にわたります。住宅購入にあたっての将来の見通しから始まり、親から援助の申し出があるが贈与税はどうなるのか、相続時にはと、相続の相談にもつながっていきます。

さらに、相続が発生したのでという相談もあれば、相続対策を考えたいという相談もあります。

FPとしては、ご本人の資産形成に資金を回せる家計の組み立てをアドバイスして、遺産を当てにせずに暮らしていける状況をつくることが第一だと考えています。

ご相談で多いのが、30代・40代で、住宅ローンを組むというケースです。まだまだ子どもの教育費も必要なことが多いので、必要な教育費を算出して、負担の大きすぎる住宅ローンは組まないようにアドバイスしています。
本人に余裕があれば、相続で揉める可能性も低くなります。

余裕のある状態で遺産を相続したときには、さらなる資産形成に回すなど、より豊かな暮らしに当てることが可能です。

1年1度の見直しを提案しているので、軽い相談から入り、長いお付き合いになるケースも増えています。
 

相続で揉めないために事前の対策をアドバイス

相続アドバイザーの勉強をしたことで、相続は揉め始めると収拾するのが大変だということを知りました。

残す側には、揉めないように相続の準備をすることの重要性を伝え、遺言書を書いておくとよいと提案ができるようになりました。
自分がいなくなった後のことを具体的にイメージするのは難しく、遺言を書く気持ちになるには時間がかかりますが、気づいていない問題点などの情報提供が可能です。

例えば、2人の子どもに、持ち家と保険、現金の資産をどう分けると考えたらよいのかなど、のちのち問題になりそうなことを伝え、いくつかの対策の選択肢を提示しています。

60歳過ぎて、子どもがいない人のケースでは、遺言が必要だとわかり、作成していただいたこともあります。資産のリスト、配偶者、兄弟姉妹への分け方など遺言のメリットと、遺言がない場合のリスクを伝えて、司法書士・行政書士につなぎました。

一方、残される側には、家計にゆとりが持てるようにアドバイスしているので、揉めるぐらいなら遺産を放棄することも可能となります。
いかに円満に相続するかが最も重要なので、FPとしてできることは相続人の経済にゆとりをつくることだと思っています。

相続アドバイザー協議会の人脈など専門家と連携

相続アドバイザー協議会のメンバーは、講座受講後も「寺子屋」などで学び、ネットワークを広げることが可能です。
三鷹を拠点としている私は、立川で開催されている「相続寺子屋 たま塾」に定期的に参加し、知識のブラッシュアップを図り、東京の西エリアの方々とつながっています。
エリアでつながるとフットワークが良いのが利点です。
勉強会のあとには懇親会もあり、参加者の人柄も把握できるので、お客様と相性が良いと思われる士業の方々を数名紹介し、お客様に選んでいただいています。

相続アドバイザーで学んだことで、ケースごとに適任者につなぐことができるのが強みです。
また、専門用語で話をしがちな士業の方との間に入って、解説のようなことをすることもあります。これは、私がその分野の専門家ではないのでわかりにくいかもと想像がつくのと、ひと通りの知識を学んでいるからこそできることです。
もっとも相続アドバイザー協議会で学んでいる士業の方々は、誰にでもわかりやすい話をしてくださいます。

遺言作成や成年後見人の設定、相続税の話など、それぞれ、司法書士や税理士につなぎ、お客様にもご満足をいただくことで、私との関係も継続されるという好循環が生み出せます。

継続的に家計の見直しをしているお客様からは、「親が入院して危ない」「亡くなったので相続について相談したい」と、早い段階で連絡をいただき、士業の方々と連携して、素早く対処ができています。

逆に士業の方々からお客様を紹介いただくこともあります。

税理士から「顧問企業の経営者がプライベートのお金の相談をしたいそうなので」と紹介されたり、司法書士から「相続が終わって遺産が入った。子どもの教育費がかかりそうなので、この先の計画を見てほしい」と紹介されたりしています。

また、民法・税法などは毎年のように変わるので、勉強を続けることが必要です。寺子屋では、弁護士、税理士からそれぞれの最新情報を学べます。

三鷹市ではFPの仲間とともに市民向けに、相続や資産運用などお金に関するセミナーを毎月開催。
相続アドバイザー協議会のメンバーが関わっている立川市の相続フォーラムにもスタッフの一人として参加しています。

対応事例1:無理のない住宅ローンを組み、余裕を生み出す

ご相談で多いのが、30・40代で、住宅ローンを組むというケースです。まだまだ子どもの教育費も必要なことが多いので、必要な教育費を算出して、負担の大きすぎる住宅ローンは組まないようにアドバイスしています。余裕のある状態で遺産を相続したときには、さらなる資産形成に回すなど、より豊かな暮らしに当てることが可能です。

れると伝わるように、HPには相談員の写真も掲載しています。

対応事例2:気づいていない問題点とその対策の選択肢を提示

残す側には、揉めないように相続の準備をすることの重要性を伝え、遺言書を書いておくとよいと提案しています。自分がいなくなった後のことを具体的にイメージするのは難しく、遺言を書く気持ちになるには時間がかかりますが、のちのち問題になりそうなことを伝え、いくつかの対策の選択肢を提示しています。

伊達寿和さん

マネーライフ・ラボ三鷹 代表
https://mitaka-fp.jp/
CFP®(日本FP協会認定)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産運用設計) 国家資格
住宅ローンアドバイザー(住宅金融普及協会)
個人情報保護士(全日本情報学習振興協会)
NPO法人 相続アドバイザー協議会 認定会員
https://sozokusupport.com/experts/datehisakazu/

1973年、兵庫県生まれ。2015年、CFP®資格取得を機に一部上場電機メーカーを退職。2016年、「マネーライフ・ラボ三鷹」を開業。2016年、相続アドバイザー協議会の養成講座を受講。2017年、日本FP協会「くらしとお金のFP相談室」相談員。