「もともと相続のことは専門にしていなかったのですが、相続アドバイザー協議会の養成講座を受けたことで、すごく仕事の幅が広がりました」。
そう語るのは、東京都大田区で行政書士として活躍する青木幹治さん。
相続アドバイザー協議会のメンバーとの出会いによって相続の仕事に触れ、他士業との人々とのネットワークが生まれることになったといいます。

今回は青木さんに養成講座を受けてみての正直な感想や、「相続は仕事になるのか?」を聞きました。

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相続アドバイザーに向いているのは「常に学んでいける人」「きちんと相手の話を聞き、客観的に対応できる人」。

行政書士青木もとはる事務所
青木幹治さん
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相続を仕事にしたきっかけは、相続アドバイザー協議会メンバーの一言

青木さんは行政書士として独立する以前、建設業者の許認可業務が仕事の中心であり、相続のことは専門にはしていませんでした。
6年前、司法書士事務所で働いていた時代には土地の名義変更や登記といった表面的な相続の仕事をすることは多かったそうですが、顧客と直接会って深く関わっていく、という意味においては相続に深く携われる機会はほとんど無かったそうです。

そんな中で相続の仕事を始めることになったきっかけは、現在相続アドバイザー協議会で常務理事を務めている都築恒久氏から受けた言葉です。
「今度相続の相談会を開くから、良かったら一緒にやってみませんか」と誘われ、青木さんは住宅展示場での相談会に同席。これによって新しい道が開けたといいます。そこから遺言書の作成など、相続の案件を請け負う機会が増えていきました。

「法律を知っていると、やはり何かと日常生活で苦労する機会が少しは無くなるのかなと思っています。自分が今まで法学部や司法書士事務所で学んできたことと経験したことを通して、周りの人たちに少しでも有益な情報を差し上げていきたいですね」。
今はそんな思いで相続の仕事をしているといいます。

相続アドバイザー養成講座で「知ることの重要性」を痛感

相続アドバイザー養成講座を受講したことによって、青木さんは「自分の専門分野ではなくても、不動産業者、税理士、司法書士、弁護士などそれぞれの分野の仕事内容を広く蓄えておかなければ、相続の仕事は出来ない」と学びを得ます。
もちろん行政書士ひとつ取ってもそれぞれの得意分野は異なりますが、相続に携わる一人の専門家として案件を全体として見渡したとき、”行政書士”だけの知識だけでは顧客の課題を解決しきれないことに気付いたのです。

「そういう不利益に気付くか気付かないか、というところが大事」と青木さん。

相続アドバイザー養成講座では色々な士業の講師がおり、その講師たちから幅広い現場の知識を聞くことができたことにより、顧客の課題を本当の意味で解決することができるようになったのだそうです。

他の士業とのネットワークも強固なものに

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青木さんはこれ以降、養成講座で知り合った受講生同士で同期会を開き、情報交換をしたり勉強会をしたりといった活動をし始めたそうです。同業である行政書士の受講生とは相続案件を協力して行うことや、税理士をしている受講生には税務相談を依頼するなど、頼れる専門家が常に周囲に居る状態になりました。

他の士業とのネットワークを構築できるようになってくると、「この人はどんな思いで仕事をしているのか」「顧客と合っていそうな専門家は誰か」というように、仕事の選択肢が非常に幅広いものになっていきます。相続の仕事は土地家屋調査士、不動産鑑定士、税理士、不動産業者、司法書士、弁護士といった専門家と伴走しながら行っていくことが必要不可欠。相続アドバイザー養成講座で培われた人脈は、顧客を第一に考えた仕事をすることにおいて心強い絆になったといいます。

相続で大事なことは人的ネットワーク、そして自分自身が勉強し続けること。
何よりも問われてくるのは人間力であることから、相続アドバイザーに向いているのは「常に学んでいける人」「きちんと相手の話を聞き、客観的に対応できる人」ではないか、と青木さんは言います。

対応事例1:相続サポート協会の相談員としての活動

青木さんは養成講座を受けてから、大田区の相続サポート協会の相談員としても活動をされています。
現在担当しているのは急死した独身者の方の相続手続き。被相続人の方が地方に住んでいたこともあり、相談者様とは生前なかなか連絡を取れていませんでした。そのため、どういった状況で亡くなったのか、保険はどこに加入していたのか、また借金があるかないかといったことまで全て分からない状態だったそうです。

被相続人の相続情報がほとんどない中、郵送物や数少ない書類を搔き集めながら、現在は実際に相続を受けるための手続きを着々と進めています。

対応事例2:養成講座の受講生同士で開催した相続セミナー

上記の大田区の相談会のほか、養成講座で出会った受講生同士で相続セミナーを行っているという青木さん。

現在はコロナの影響もあり中止していますが、きっかけは生命保険を担当している同期生が語った「相続関係の講座をやりたい」という言葉。養成講座を通して培われた視野の広さやネットワークを通じ、現在では他の士業を顧客に相談する窓口のような役割も果たしているといいます。

青木さんは、相続は「不安がなくなりました、とお客様が安心した表情を見せてくれるのがやりがいです」と語ります。相続の仕事を通して世の中の役に立っていると思うことは幾度もあるそうです。大変なことは数多いものの、相談者が相続のことで「揉めない」という現実を実現するために、現在も邁進しています。

青木幹治さん

行政書士青木もとはる事務所
https://plushome.info/

1979年6月生まれ 福島県いわき市出身。成城大学法学部卒業後、司法書士事務所、一般企業の総務、行政書士事務所を経て、2015年6月に大田区蒲田にて開業。司法書士事務所での相続業務、法人設立業務、行政書士事務所での介護事業の立ち上げの経験を活かし、相続業務、許認可業務を軸として大田区を中心に地域に密着した行政書士として活動中。