第61回相続寺子屋報告
投稿日 : 2013年3月14日 | カテゴリー : 勉強会, 関東
第61回相続寺子屋「旧耐震ビルの相続リスク」の報告です。
講師は大澤 健司氏 (㈱サンヨーホーム) です。
大澤氏は東京でビルの耐震診断、補強工事を手掛けています。
「耐震診断をやらないのであれば売ってしっまった方がよい」
この言葉が今回の内容を象徴しています。
耐震診断をすることをオーナはいやがります。
悪い結果が出た場合を恐れるからです。
(入居者は出ていく、補強工事は費用がかかる…..)
近い将来、高い確率で地震が来ると言われている東京。
耐震改修促進法が制定されている今、新耐震基準を満たさないビルが倒壊し、入居者に損害を与えた場合の所有者責任は阪神淡路大震災のときより重たいです。
耐震診断もしないでは責任を逃がれることは難しいでしょう。
子供たちはそんな、ビルは相続したくありません。
新耐震基準とは「震度6以上の地震で倒れない住宅」です。
旧基準は「震度5程度の地震に耐えうる住宅」です。
この差の大きさは過去の地震が立証済みです。
旧耐震の建物は仲介しないという不動産会社もあります。
優良企業ほど旧耐震基準の建物には入居しません。
地震で社員がけがをすると最初に訴えられるのは会社だからです。社員の安全対策が重要視される時代です。
不動産の価格も旧耐震と新耐震の差は今後大きくなると予測されます。
このような状況を一言でまとめたものが冒頭に紹介した大澤氏の言葉です。
旧耐震の危険性、実際の診断にかかる費用、助成金、補強費用、等々。
実務的で直ぐにでも役立ちそうな話ばかりでした。
ありがとうございます。