カテゴリー : 野口レポート

昔は還暦になると、赤いちゃんちゃんこと頭巾をかぶり、お年寄りになったことを祝ったものです。誰が見ても当時の60才は立派な「おじいちゃん・おばあちゃん」でした。

私は昭和21年の生まれです。「光陰矢の如し」とはよくいいますが、アッという間の78年でした。

振り返ってみると、60才から70才までの10年間は「黄金の時間」でした。いま思えば第2の青春の入り口のようなものでした。大人の雰囲気が出てくる歳にもなり、まだ体力気力も十分ありました。若い頃に考えていた60才とはずいぶんと違いましとした。

60代、この10年間の「黄金の時間」に色々なことができました。いくつかをあげてみましよう。

  • 6時間ぶっ続け「出し昆布」セミナー。

相続の法律や税務を語れる人は多くいますが、心の部分を語れる人はいません。「出し昆布」は自分の持っている全てを相手のために出し尽くします。相続に関して私が持っている「知識・経験・ノウハウ・心」を全て出し尽くします。名付けて、6時間ぶっ続け「出し昆布」セミナーです。立ちっぱなし、話しっぱなしで6時間です。100人を超える会場もありました。心の相続をテーマに依頼を受け、九州から北海道まで全国に講演に行ったのも60代でした。 

  • 著名な税理士先生のラジオ番組にゲストとして呼ばれ、「心の相続」をテーマに3回ほど対談させていただきました。
  • 毎月発行している「野口レポート」を編集し、「心をつなぐ相続」として初めて出版することができました。ライターは使いませんでした。街の本屋さんに並んでいる自分の本をみて感激しました。
  • 旅行等も積極的に参加しました。足腰も衰えを感じることなく、親しい友人家族らと一緒に行った旅行は楽しい思い出です。
  • 4人姉妹が揉めていた長崎の五島列島や、別件で与論島にも行きました。精神的にも成長し、体力・気力もみなぎっていました。

 それから数年がたち後期高齢者と呼ばれる歳になりました。以前のように足が上がらない、駅へ行くにも若い女の子に抜かれる、座って立つのが難儀になってきた、お酒の量も少なくなった。

最近になって体力の衰えをはっきり感じるようになりました。現実を素直に受け入れることは大切です。年は、どんなに大金持ちでも、いくら貧しくても平等です。同じように重ね老後をむかえます。自分もあと2年で80才の大台にのります。その時の体力はどうでしょうか、衰えを補うのは気力しかありません。私を必要としている人はまだいます。これからも現役を続けていくなかで、いかに気力を保つことができるかが勝負です。

60代はまさに第2の青春です。還暦をむかえた人、これからむかえる人も、老いている暇などありません。この素晴らしい時間を充実して過ごしてくださるよう願っています。