カテゴリー : 野口レポート

いよいよ高齢化社会から高齢社会に突入し、相続は増え続けています。相続人の年代層も移り変わり権利意識も増してくる一方です。また、昨今の相続は複雑で多様化し、とても一人では対応できません。方向と価値観を同じくし、資格に人格が備わった質の高いネットワークは相続コーディネーターの命です。

相談に見える人のほとんどは、相続は初めての経験です。誰に相談すれば、どこへ頼のめばよいのか判りません。また、専門家にも温度差があり、地主相続などは誰に頼むかで運が分かれます。

相続相談には大きく分けて次の3つのパターンがあります。
(1)相談のレベルで問題が解決してしまう。
Aさんの相談 オシドリ夫婦のAさんには子がいない。Aさんは自分が亡くなったら全財産は妻へいくと信じてうたがわなかった。兄弟姉妹もしくはオイメイも相続人になると知ってびっくり、このまま何もしなかったらどうなるのか。
《アドバイス》兄弟姉妹には遺留分の権利がありません。遺言を作ることをアドバイスしました。とりあえず「全財産を妻に相続させる」自筆証書遺言を書いていただきました。その後に確実な公正証書遺言に作り直しです。⇒ 問題解決

(2)問題の本質をつかみ、適切なサポートをすることで解決する。
Bさんの相談 親が亡くなってから20年が経過したが、他の相続人が協力してくれず、遺産分割が未だまとまらない。
《アドバイス》Bさんの話しを傾聴してみると、知識の不足が原因で、非はBさんにあることが判りました。正しい知識を理解いただき、他の相続人に対し「心から詫びてくれるよう」お願いしました。マイナスをゼロに戻してから再スタートです。20年間塩漬けの相続が3回の協議で決着しました。⇒ 問題解決

(3)相続アドバイザーが関わってはいけない相続。
多くの相続をお手伝いしてきましたが、相続争いに出会ったのは数回しかありません。ほとんどは「多い少ない」の兄弟喧嘩のレベルです。この段階なら相続人の自助努力で解決が可能です。
カネの問題ではない(口で言っても本心はほとんどがカネの問題)。だが、本当に銭勘定を通り越し感情問題になってしったら、解決(処理?)できるのは弁護士(法律で切る)しかいません。

「兄弟喧嘩」なのか「相続争い」なのかを見極め、相続争いと判断したら相続アドバイザーは関わってはいけません。⇒ 即弁護士
相続で悩んで相談に見える人の顔は一様に深刻です。憔悴しきっている人もいます。一緒に深刻な顔をしてしまったら、相手は不安になり、さらに深刻になってしまうでしょう。
相談は穏やかな顔で応じ、心では相談者の痛みを受け入れて差し上げることです。「顔は笑顔で心は真剣勝負」これが相続相談で最も大事なところです。