カテゴリー : 野口レポート

マイホームの取得は誰もが持っている夢です。結婚を機に家を建ててもらった、資金の援助を受けることができた、親に財産があれば可能な話です。が、多くの人達は自分の力で建てるなり、買うなりしなければなりません。

35年のローンを組んで戸建住宅を購入しました。ようやく手に入れた夢のマイホーム、狭いながらも楽しい我が家、贅沢せず好きな旅行も控え、ひたすら家計を切り詰めローンを返済していきます。途中で返済に行き詰まれば、売却や抵当権を実行され家を失います。売却し借金がゼロになればよし、下手すれば「汽車(住宅)は出ていく、煙(借金)は残る」です。マイホームは、「ほしいと思っている時が夢のなか、」買ってしまったら厳しい現実が待っています。

無事にローンも終わり抵当権も抹消し、ようやく自分の家になりました。気がつけばそれなりの歳です。今度は自分の相続が忍び寄ってきています。相続人になるのは、奥様と子が2人です。奥様が先に逝っていれば、相続人は子が2人です。預貯金が500万円、主たる財産は分割の出来ないマイホームです。

同居している子がいます。このまま自分が家を相続できると思っています。遺言があっても遺留分があります。他の兄弟が黙って相続させてくれるとは限りません。

 格言に「金持ち喧嘩せず」とあります。分ける財産がある人は争いも少ないでしょう。相続争いは遺産総額5000万円以下の層が圧倒的です。主な財産がマイホームなら、争いの種を残したようなもの、遺言に加え遺留分対策は必須です。

遺留分の請求は数年前に減殺請求から侵害額請求に改正され、金銭で払わなければなりません。遺留分対策として、安心で簡単で長続きする方法として生命保険の活用があります。

通常の契約形態なら、一定の額は非課税であり、かつ民法上の相続財産にはなりません。よって遺産分割の必要がなく、指定された受取人(受遺者)が固有の財産として受け取れます。生命保険は親が亡くなってからお金が下ります。使い込んでしまう心配がなく、遺留分相当額や代償金の原資として確保できます。

近年、相続人の層の移り変わりや、時代の変遷もすさまじく、権利意識が一層強くなってきました。相続人の考えも以前とは様変わりしており、「法定相続分」などの言葉が当たり前のように出てきます。加えインターネットなどから得た自分に都合の良い「付け焼き刃」の知識がさらに遺産分割をやりにくくしています。

最近は相続が単なる「財産分け」として存在することが多くなってきた感があります。親が汗し苦労して手に入れた夢のマイホームが相続争いの種となってしまったら本末転倒です。マイホームを取得するなら将来の相続を見据え、遺言や遺留分対策も合わせ考えておく必要があるでしょう。