カテゴリー : 野口レポート

父母等の直系尊属はすでに他界し、配偶者がいない、子供もいない、ひとり身の「お一人様」が亡くなると、第3相続順位の兄弟姉妹が相続人になります。すでに亡くなっている人がいれば、その子供が1代限りで代襲相続人になります。
 
岩手から川崎に出てきて40数年、高齢のAさんが急逝しました。お一人様のAさんには兄弟姉妹が4人います。3人は存命で岩手に在住しています。1人に代襲相続が発生しています。代襲者の姪は疎遠でどこにいるのか分かりません。
 
岩手からは一番若い末弟(73歳)のBさんと息子のCさんが上京し、川崎で葬儀をすませお骨は故郷に持ち帰りました。Bさん親子は再度上京し、Aさんが借りていたアパートの解約や明け渡し、遺品整理などの後始末をしました。
 
遺品整理を扱った業者が知り合いだったので、私をBさんに紹介してくれました。フットワークの良い息子のCさんが相続人の窓口になってくれることになりました。
 
最初にやることは司法書士に依頼し相続人の確定です。Aさんが生まれた時からの全戸籍を取得します。高祖父母など生きているわけがないのに、上の上までさかのぼり戸籍を取得し直系尊属が誰もいないことを証明し相続人が兄弟姉妹に確定します。

次は預貯金通帳等から銀行を特定します。そして残高証明の取得です。Bさん親子は岩手にいるので銀行回りはできません。
Bさんの委任を受け代理人として残高証明を取得することになりました。都銀・地銀・ゆうちょ、残高証明は全て取得できました。
最後は某信金です。信金「代理人では駄目です。相続人本人の署名捺印をもらってください。」 野口「他の銀行は代理人の署名捺印で取得できたんですよ。それでは委任状の意味がありませんよ。」
信金「うちの決まりです。」ここは100歩譲りました。
野口「残高証明は私のところへお願いします。」 信金「相続人に送るので送り返してもらってください。」全く話になりません。相続の円滑な対応も大事な顧客サービスではないかと思いますが……。
 
戸籍も揃い相続人の確定ができました。疎遠であった代襲者の住所も判明し相続人は4人です。姪に手紙を書きました。
疎遠の相続人や前婚の子に最初に出す手紙は細心の注意と気遣いが必要です。これで相手に与える印象が決まります。
 
◎突然に手紙を出す非礼を詫びる ◎弁護士ではないことを伝える ◎法律用語は使わない ◎相続人であると判明したことを伝える ◎遺産は調査中にしておく ◎とりあえず連絡をくださるようお願いする。 ◎ダイレクトメールとまちがえられゴミ箱へ捨てられないように、宛名の下に「〇〇様相続の件」と書き添えます。
 
はたして連絡はくるかどうか、祈るような気持ちで投函しました。
次号へつづく