6月27日相続アドバイザー養成講座の第16講座が行なわれました。
題目は「高齢者と賃貸住宅制度」です。
講師は吉田修平氏(弁護士)です。
はじめに、高齢者の住まいを賃貸住宅とする事の意味を有料老人ホームとの比較で説明されました。
有料老人ホームは、ホームの利用に関する運営会社と利用者の契約です。
終身利用と謳っても、運営会社が建物を他に譲渡したら利用契約はそこで終了します。譲受人が、新たな運営会社になっても預けた一時金は、新たな運営会社が返還する義務はありません。
入所中に部屋を移動させられたり、長期入院で一方的に契約を解除されることもあります。
これに対して賃貸住宅とすると借地借家法が適用されます。
入居者は借家人として法で守られます。
運営会社が変わっても契約は終了しませんし、部屋を移動させられたり、一方的に契約を解除されることはありません。
有料老人ホームでおこる様々な問題に対応できる制度として賃貸借契約を取り入れたのです。
平成23年に改正された高齢者居住法により、高齢者賃貸住宅の種類は「サービス付き高齢者住宅」に一本化されました。
この制度がつくられるまでの経緯、補助金、税制の特典について話して頂きました。
超高齢化社会に向け、政府が本腰を入れ高齢者対策を考えていることが解ります。
補助金・優遇税制の効果で初年度は予想以上に普及が進んだようです。
最後に終身借家の説明がありました。
亡くなるまで続く賃貸借契約です。
普通借家契約と違い賃借人死亡により借家権は相続しませんので借家契約は終了します。
サービス付き高齢者住宅に最も適した契約だと思うと吉田氏は言われました。
しかし契約内容が難しいのか現在普及が進んでいません。
高齢者賃貸の法律作成に携わっている吉田氏のお話は興味深いです。
社会の役にたち、普及のためビジネスとして成り立つことを考え法律作成に携わっていることが伝わってくるお話でした。
ありがとうございます。