カテゴリー : 相続アドバイザー養成講座

6月5日相続アドバイザー養成講座の第11講座が行なわれました。

題目は「家族信託を活用した相続対策」です。
講師は宮田 浩志氏(司法書士)です。

「家族信託は万能ではない。
しかし、引き出しのひとつに家族信託を持っていないと相続コンサルは出来ない」

信託を利用すると、民法の枠では出来ないことが可能になるからです。
信託でないと防げない家族問題があるということです。

例えば本家で子のない夫婦。
「自分が死んだら奥さんに全て相続させたい。
しかし、その後奥さんが死んだら、奥さん側の親族に財産が流れる。
本家を守ってきた者としては回避したい」
信託を使えば解決出来ます。
「第一受益者を奥さんへ、奥さんが亡くなったら全財産を本家筋の親族に」
というスキームが組めるのです。
この他にも家族信託ならではの事例をいくつか紹介されました。

信託の問題点についてもお話されました。
長期にわたり相続人を拘束し複雑な相続関係なになる可能性があります。
導入は慎重に、定期的にメンテナンスが出来るスキームが大切です。
受託者の問題(家族信託では受託者は身内の場合が多い)は重要です。
・信頼出来る受託者をみつけられるか。
・受託者が亡くなったときの手当てをどうするか。
・受託者の暴走を防ぐ手当をどうするか。

現在、信託はまだまだ普及していません。
そのため良い制度と解っても実効に移せない人が多いようです。
また、受託者による銀行借り入れ、受託者を明記出来る銀行口座、株式等々対応してくれる金融期間が少ないのが現実です。
「しかし2年~3年経てば信託が普及し当たり前に使える時代がくる。信託の先駆者として皆さんに活躍してほしい」
と宮田氏は熱く語ってくれました。

ありがとうございます。