カテゴリー : 野口レポート

人が亡くなるとその瞬間に何の手続きをすることなく遺産は法定相続分で相続人に所有権が移ります。そして未分割共有となります。これを各相続人の確定した財産にするための話し合いが遺産分割協議です。相続人全員が合意したならどんな分け方をしても有効です。
 
相続は財産を「棚ボタ」でもらえるのだから有り難い話です。本来なら相続人は幸せになるはずです。また、幸せにならなければなりません。
 
ところが幸せになるべき相続で幸せになれない人がいます。これはいったい「なぜ」でしょう。この仕事にかかわって、最初に感じた単純にして最大の疑問でした。
 
「チコちゃんに叱られる」はNHKの人気番組です。「ボーっと生きてんじゃねーよ!」この言葉は流行語大賞にもノミネートされました。
この5歳の天才女児に単純にして最大の疑問を振ってみましょう。
 
チコちゃん「幸せになるべき相続で、幸せになれない人がいるのはなぜ」。チコちゃんの質問に岡村さんもゲストも答えられません。相続人に聞いてみても分かりません。だがチコちゃんは知っています。
 
チコちゃんの答えは「相続で幸せになれない人は、親の財産をもらうのは当たり前だと思っている。感謝の気持ちがないからである。」
くわしく教えてくださるのは「心の相続」を提唱し、数多くの実践コンサルティングから独自の理念を創り上げた野口賢次さんです。
 
野口「さすがチコちゃんだね。わずか5歳で相続の本質を知っているとは恐れいりました。譲った人が幸せになれる。これは確信できる事実です。感謝の気持ちがあれば譲ることができます。“感謝の気持ちと譲る心の大切さ”この気持ちと心が相続人を幸せにします。
 
争って得た財産や、感謝なくして相続した財産は、重みのない泡銭になってしまいます。人は泡銭では幸せにはなれません。
ご先祖様や親から預かってきた財産は相続人に伝えていくべき大切な
財産です。しかし、その財産のために争ったり、自分や相続人の大切な人生が振り回されてしまったら意味がありません。
 
一番大切なのは、財産を持っている人や受け継ぐ人の人生そのものです。その人生に役立つ財産であってこそはじめて意味があります。
 たとえ少なくても相続できた財産に有り難いと心から感謝し、自分の人生観や価値観にもとづき、心にゆとりある人生を楽しみ、その相(すがた)を次の世代に伝えていく、こうした考えこそ本来の相続の姿です。
 
“ありがとう”の語源は“有り難い”です。“ある”ということが“難しい”つまり“ある”ということがなかなか無いことなのに“ある”のです。それは幸せなことです。だから“ありがとう”なのです。
 
“ある”のが当然と思っていることは“有り難い”の正反対です。だからありがとうの反対語は“当たり前”なのです。
相続で幸せになれない人は、親の財産をもらうのは当たり前と思っています。感謝の気持ちがありません。これは相続争いをする人の共通点です。だから幸せになれないのです。」
 
チコちゃんは感謝して譲ることができるかな?